臨床検査科について
臨床検査科は大きく分けて検体検査(血液、尿、便などを分析する)と、生理機能検査(患者さんに直接触れて検査をする)があります。技師10名で各検査を分担し、検査業務を行っています。
検体検査においては、可能な限り迅速かつ精度の高い結果を各診療科に提供しております。また、生理機能検査においては、一部予約制での検査となりますが、当日の検査も可能な限り対応しております。
採血室(検査受付)
採血、心電図、超音波検査等の検査受付窓口
検体検査
患者さんより採取された検体(血液、尿、髄液、穿刺液等)について検査を行っています。医師の指示の元、必要な検査を組み合わせて実施し、検査結果を総合的に解析することより、診断や治療の補助として利用されます。一般的な検査項目は当日報告しております。
体制 | 365日24時間体制 |
---|---|
分野 | 生化学検査、免疫学的検査、血液検査、一般検査、 迅速検査(インフルエンザなど)、輸血検査、細菌検査(塗抹のみ) |
1.生化学検査
血液検体からその中に含まれている蛋白質、酵素、脂質など30種類以上の検査項目を検査する事が出来ます。 主に肝機能、腎機能、心機能、脂質の代謝、糖尿病などを調べるために行います。
〈採血後、30~40分程度で結果がでます。〉
2.免疫学的検査
肝障害の原因となる肝炎ウイルス(B型、C型)の有無や甲状腺機能を調べるために行います。
〈採血後、60分程度で結果がでます。〉
3.血液検査
私たちの体を流れている血液を大きく分けると液体成分の血漿と固形成分の血球に分かれます。さらに血球は、白血球・赤血球・血小板に分かれます。この検査でわかるものは、白血病や貧血の有無、その他血液疾患です。
〈採血後、30分程度で結果がでます。〉
4.一般検査
尿検査、便検査、体液(髄液・胸水・腹水など)検査などがあります。 尿検査は膀胱炎、腎炎、糖尿病、ネフローゼ症候群など病気を診断したり治療に役立てたりします。便潜血検査では、消化管出血などの便中の微量な出血を発見する検査です。
〈採尿後、20分程度で結果がでます。〉
5.迅速検査
インフルエンザ、溶連菌、RS、アデノ、ノロ、O157など多数の検査を院内で実施しております。
6.輸血検査
血液型の判定や輸血用血液が患者さんに使用できるか否かを判定します。
輸血検査は24時間、臨床検査技師が対応しています。
7.細菌検査(塗抹のみ院内実施)
患者さんから採取した喀痰や尿、血液などを検査することにより、細菌感染を起こしているかどうかを調べる検査です。
生理機能検査
生理機能検査とは、直接患者さんに接し体の構造・機能に関する様々な情報を専用の機械で読み込み解析する検査です。
当院実施の検査項目
1.心電図検査
心電図とは、心臓の電気的活動を記録したものです。
不整脈、心肥大、心筋梗塞・虚血性心疾患、心膜炎など心臓に異常がないかを調べます。その他に、小型記録計を装着し24時間心電図を記録するホルター心電図、運動して心電図の変化を観察するトレッドミル負荷心電図検査等があります。
2.超音波検査(腹部・心臓・乳腺・血管)
人には聞こえない音波を体にあてると音波が体の内部にある臓器まで届き、それが山びこ(エコー)のように返ってくる原理を利用して画像化します。病気の有無や臓器の位置や形、性状をいろいろな方向から観察します。
3.呼吸機能検査
肺から出入りする空気の量などを測定して、肺の働きや病気を調べる検査です。
気道や肺などの病気で起こる障害の種類や程度、手術前の適応評価などを行います。
4.FeNO呼気検査
呼気中の一酸化窒素濃度を測定し、喘息の有無や程度を調べます。モニターの画像を見ながら一定の強さで機械の中に息を吐いて検査します。
5.尿素呼気検査
胃炎や胃潰瘍の原因菌のひとつであるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染の有無を調べます。検査薬を飲む前後の呼気を専用バッグに採取し専用装置で分析、測定します。
6.脳波検査
てんかんの診断・治療効果、意識障害の有無・程度の判定、睡眠障害、脳の器質的疾患・脳血管疾患の状態などを検査します。頭皮にペーストで電極を付け、脳の電気活動を波形として記録します。
7.動脈硬化の検査
動脈の硬さや狭窄、閉塞の早期発見、診断、治療効果、血管年齢など動脈硬化の総合評価をします。両手両足に血圧測定用のカフ(圧迫帯)を巻き、両手両足の血圧と脈を同時に何度か計測して検査します。
8.睡眠時無呼吸検査
いびきや無呼吸、昼間の眠気などを主な症状とする睡眠時無呼吸症候群の診断をします。簡易検査や一泊入院の精密検査があります。
9.神経生理検査
手や足の末梢神経の伝わりを調べる検査です。糖尿病による末梢神経障害の程度、手根管症候群・肘部管症候群等を診断する検査です。